狛江『志美津や』にて熟成蕎麦バトルロワイヤル(I)

シエロと赤いたぬき号



食べ物をグラム数で考えることは少ない。

単一素材を楽しむ料理だけだろう。例えば「ステーキ」。塩と胡椒で肉を焼くだけだから、基準となる単位が少ない。基本的には「産地」と「目方」だ。どこ産の肉を何グラム、ということだけだ。
付け合せ…? そんなのどうでもいいよ。ジャガイモだけで十分だ。野菜も食べろ…? 欲しけりゃサラダを頼むからいいよ。だって、今日は肉を食べに来ているんだ。

何グラム食べられるだろうか? わたしはステーキだけなら、500グラムあたりが限界だ。焼肉のようにスライスされたものが順番に出てくると、アルコールの勢いも借りて、もっと食べることがあるかも知れない。でも、500グラムの肉をどんと置かれるとすごいボリュームだ。お腹ではなく眼が「もういらない」と言いはじめる。その後一週間は牛肉のにおいを嗅ぎたくない。

単一素材で食べさせるといえば、「蕎麦」はどうだ?
蕎麦ならば食べられる。でも、これもステーキと同じなのかも知れない。500グラムの「もり蕎麦」が眼の前に盛られたらどうだろうか?・・・・・
おいしい蕎麦ならば500グラムでも、「被疑者は悪びれずにペロリとたいらげ」てしまうにちがいない。でも、蕎麦はのびちゃうからいっぺんに500グラムは置かれないので、まだ経験したことがない。決してやってみたいわけではない。

で。一日、蕎麦を食べまくった。「熟成蕎麦バトルロワイヤル」という、誰がい出したのか知らないが、無茶で楽しい企画があったからだ。春。舞い散る桜と花見の人々を掻き分け。桜の名所、野川のほど近く。狛江『志美津や』にて、熟成蕎麦をメインに十種類の蕎麦が用意される。
各50グラム、合計500グラムが、これでもかこれでもかと、ワンコ状態で繰り出されるのだ。

蕎麦前があるのは当然だ。梅酒の食前酒からはじまって、「とりあえず」ビールも。『志美津や』定番の日本酒。ついには薄にごり酒の一升瓶が二本テーブルに。『志美津や』特製のあても各種。おばあちゃんお手製の漬物も、きゅうりにさわっていないやつを堪能。ご近所だ。自転車は置いて帰っちゃえばいいや。

蕎麦前だけじゃない。蕎麦中で、今季最後の牡蠣を天婦羅で。穴子天もうま〜。それでも、まだ足りない面々は温蕎麦の追加まで。

こんなに蕎麦を食べたのは初めてかもしれない。
懺悔する。朝はあえて「緑のたぬき」を食べてみた。実は昼も、小金井『みやざわ』で蕎麦を食べちゃったのだ。大盛りで、せいろと田舎の二色を。
一日で700グラムはまちがいなく食べているはずだ。

蕎麦100gのカロリーは130Kcalのはずだったから、蕎麦とはいえ、それだけで一日に900Kcal以上食べたことになる。純粋に蕎麦だけでこれでは、50キロくらいポタしても、空腹感を煽るだけだ。
まあ、良いや。だいじょうぶだよ。白米ならば、一合で570Kcalといわれている。700グラム食べれば、2,500Kcal近くいくだろう。それが蕎麦ならばたった1,000Kcal弱なのだ。

すっかり、その他、あてや天婦羅や酒のことを忘れているわたし・・・・・。

で、「熟成蕎麦バトルロワイヤル」十種類の内訳は?
また明日書く。