千円ぽっきりの価値

代田橋『まるやま』温かいおろし蕎麦



「30,40,あたりまえ」といってもディスカウントのことではない。高速道路の渋滞の話だ。各所であたりまえに30キロクラスの交通渋滞が起こっているらしい。

高速の自然渋滞を解消する方法を学者さんがテレビで話していた。
「40メートルの車間をあければいい」のだそうだ。でも、そんなことしたら、一瞬のうちに何台も割り込まれてしまう。もともとの人の性は善なのかもしれないが、ドライバーの性は"悪"なのだ。よれよれのじいさんだって、まっすぐ自転車で走れないおばさんだって、他人が恐くて電車に乗れないヒッキーだって、いったんハンドルを握れば、たちまち不死のゾンビと化してしまうのだ。

高速道路が乗り放題で1,000円なんだってさ。
しかし、これほど時代に逆行した法律もめずらしい。二酸化炭素がどうのこうの議論しているのに、必要もないのにあえて遠距離自動車旅行を奨励している。

ま、わたしはだいじょうぶだよ。地球温暖化で海面が上昇して云々とか、プランクトンが大発生して赤潮になったり、海面温度が上昇してプランクトンが死滅して地球の二酸化炭素処理能力が落ちたりうんたらかんたら、わたしが生きている時代の話ではない…。そうなのだ。この法律を作った連中も税金をばらまいてる連中も、自分が生きている間の問題じゃない爺さんたち。他人事なのだった。だから、今さえ都合よければ未来なんてどうでもいいのだ。

経済効果が…といっても、他の交通機関は減収に違いない。うるおったのはETC屋とパーキングエリアくらいだろう。
「ETC車載器を搭載した車1台あたりで年間約11kgのCO2(樹木1本が1年間に吸収するCO2に相当)を削減することになります」なんてたわごとが言われていたこともあるらしい。が、ETCは天下りの利権がまんさいの仕組みになっている。パーキングエリアも言わずと知れた田舎代議士たちの利権の温床だ。

高速道路の減収分を補うため、税金で5,000億円が道路会社の穴埋めに使われるそうじゃないか。その財源はいわゆる埋蔵金とこれからの増税でまかなうんだろう。一時的な飢えのために自分の足を食べるわけだ。

それに乗せられる連中って、なんてお人好しなんだろう。時間を金で買うという発想がないらしい。自転車乗りにそんなこと言われたくないって…。でもおいらたちが環境に迷惑かけている割り合いはずっと少ない。しかも自転車は健康的だ。自転車乗りが起している問題は、健康で長生きしてしまうのでエコじゃない、という程度だ。

しかもこの千円ぽっきり法案の問題は、高速を降りるとまた1,000円かかってしまうことだ。だから、元を取ろうとおもってか、意味もなく遠くに行こうとする連中が多い。実際は真綿で自分や子供の首を絞めているんだけど。
さらに、高速道路が大渋滞すると何が起こるかの想像力が欠けているらしい。狭い社内に閉じ込められるストレス以上に、実はスカトロ地獄が待っているのだ。これぞ黄金週間=GWwwwwww…。

そんなわけで、今日は連休二日目。好天。昨日ほど風も強くない。ニュースを見ると、おばかな連中で高速道路はぎっしり。きっと都心はがら空きだろうと。連休初日にがっつり走ってしまった分のクールダウンポタに出かける。

おかげで都心は静かで空気もよく実に快適なポタだった。
ニュースによると、何ちゃらが開店した某原宿あたりは、獲物を求めるゾンビの群れで混雑していたらしいが、その他は実に走りよい環境だ。
車が少ない都心をのんびり走るあまりの快適さに、思わず皇居を一周。軽くクールダウンのはずが坂も登ったり下ったりして40キロ以上走ってしまったのだ。

ポタの〆は代田橋『まるやま』で。からみ大根と上質のおかかがたくさん入った"温かいおろし蕎麦"が気に入っている。



hosanm@gmail.com