最近メキシコといえば…

ダウナー系とアッパー系



メキシコといえば、豚インフルエンザ、もとい新型インフルエンザの話題ばかりだ。どのTVでも新聞でもWEBサイトでも、同じような金太郎飴ニュースしかない。

でも、実は「個人が自分で使用する麻薬について少量であれば所持していても罰しない」なんて刺激的なニュースもあったのだ。
なぜか日本ではちゃんと報道されていない。

・Mexico Senate OKs bill to legalize drug possesion
 http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSN28349522
・Senado aprueba la ley contra narcomenudeo
 http://www.eluniversal.com.mx/notas/594310.html

4月28日に、賛成87欠席10で上院を通過。カルデロン大統領は承認に積極的で(そもそも彼が起案したという話もある)、近々に正式に発効されるだろうといわれている。

この法律、実は3年前の同じ頃に議会を通過している。2006年の時点では、ブッシュ米大統領の圧力に屈した当時の大統領フォックスが承認をしなかった、といういわくつきの法案なのだ。

4月16日にオバマ米大統領カルデロン大統領と会談し、麻薬組織撲滅作戦を全面支援する意向を表明したばかりのところ、なぜこの時期に…というのが、実に香ばしいところではないだろうか。

ちなみに、個人使用のためならば合法的に所持できるのはこんなところらしい。

 大麻:5g
 アヘン:2g
 モルヒネ又はヘロイン:50mg
 コカイン:500mg
 LSD:0.015mg
 メタンフェタミン:40mg

なるほど…それぞれが微妙な量だ。(こらこら知ったかぶりを言うなよ!)
ようするに
「こんな程度の面倒な取締りに費やしている暇はないから、自己責任でやれよ」
ということらしい。

こんな法案が何度か提出されているとは知っていたが、まさかこんなに麻薬らしい麻薬が網羅されているとは知らなかったのだ。オールスターキャストじゃないか。ほんとうにこんな法律があっていいのだろうか?
この手の話題では必ず出てくるのがオランダだ。でも、それはソフトドラッグと限定付きで、しかも決して"合法"ではない。「当局が見て見ぬふりをしている」だけなのだ。

メキシコの麻薬王がForbesの長者番付けに新登場なんてニュースもあるし、世界はメキシコはどうなっているのだろうか?

じゃあ、全種類これだけの量を同時に持っていていいのか?という疑問がわく。
ビールチェイサーでスピリットを飲んだときと同じように、合わせたらぶっ飛んじゃって危険ではないか?と。

でも、だいじょうぶだよ(というか何というか)薬中者はその点だけには意外と律儀で、"ひとつ"に操を立てがちらしい。そんな話を本場コロンビアできいたことがある。ほんとうかどうかは知らない。

だけどね…ダウナー系とアッパー系を併用するとどうなってしまうのだろうか?中華料理のコースを食べながら黒い烏龍茶を飲んでいるみたいな感じなのだろうか?と、今回の話とはまったく関係ない、わけわからないどうでもいいことまで、まだ考えているわたし。



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