手打蕎麦屋の営業時間(休日編)

おいおい、そんなに休むなよ



なんの話だったっけ? そう、旨い蕎麦を安定供給するためならば、中休みもしかたない。その代わり、夜はもっと遅くまでやってほしい。という話だった。

この際だ「売切れ終い」も許してしまおう。普通の(あえて"普通の"という)蕎麦は翌日まで持ち越せない。大量に余ってしまえば、一家の夕食は「かけせいろセット」に違いない。

かけ蕎麦を汁椀代りにして、せいろをご飯代わりにして腹が膨れるまで食べる。本日のシェフサラダは、小椀のぶっかけ蕎麦の上にレタスとカイワレ大根がちょっと乗っていてすり胡麻がかかっている。デザートは蕎麦にきな粉と黒蜜を少々かけて食べる。…、なんかすごくうまそうじゃないか。今度、大量に余ったときに呼んでほしい!

そんな話ではない。だから、売切れ終いも仕方がない。だいじょうぶだよ、怒らない。でも、休みは何とかしてほしい。せめて、土日祝は営業しようよ。だって、わたしにとって、最も蕎麦屋酒がうまいのは昼日中の一杯だからだ。そのわりにおまえは平日も行ってるじゃないか…という話は今日も置いておく。

そうかあ。休日は子供と過ごす時間にしたいって。それもそうだ。仕方がない。あえて「手打蕎麦を職業に選ぶという感性」はそうなのだろう。言われれば納得する。

でもね、夏休みはなんとかしようよ。
八月は旧盆を中心に前半の二週間、または後半の二週間を平気で休んでしまう店も多い。もちろん、「八月全休」なんて店も知らないわけじゃない。
昔は、八月まで保存しておいた蕎麦はおいしくなかったのだろう。でも、冷凍保存技術が発達したいまは違う。学生じゃないんだから、一ヵ月も休まれちゃあ、わたしが、困る、のだ。

ま、それも置いといて。七月全休!という噂を聞きつけて、その前に、と行ってきた。下北沢『くりはら』へ。ところがどうだ。実際は、六月最終週から休みだ。しかも、内装工事が八月までかかってしまうらしい。
八月の初めに工事が終わっても、すぐ営業できないだろうから、二ヵ月弱連休ということだ…。

永い休みが好きで八年間も大学生をやってしまったが、いっそ蕎麦屋になればよかった、とつくづく思う今日この頃なのだ。

で、下北沢『くりはら』。久しぶりの春巻き。海老のぷりぷり具合を楽しむ。相変わらず高め安定したクオリティの香りと味の蕎麦。ドロンだろうとブロンソンだろうと、一枚のコインも入れられないほど山盛りに注がれたビアグラスと片口。さらば友よ、二ヵ月間。だけ。



蕎麦屋の年間営業時間が短いと書いてきたが、われわれ会社勤めはどうなんだろう?

9時〜17時が大半か。うち1時間は昼食。無駄口たたいてセクハラしている時間もある。一日1時間は喫煙自主休憩を取る連中も多いので、実働は6時間程度なのではないだろうか。
土日が100日、盆暮れで10日、祝祭日が15日程度、有給が15日として…、合計140日。なんだ結構休んでるのだ。やはり、キラクなカギョウなのかもしれない。大阪府の痴呆公務員のようにサービス残業がなければ、だ。(しつこい?)