イタリア観光旅行(フィレンツェ[III])

Hosanm2007-12-09



旅行とは、観光とは歩くことだ、ということは分かっている。でも、そろそろ二人とも歩き疲れている。ローマもフィレンツェも、古い建物は天井が高いのだ。
例えば「ピッティ宮」。外壁に人を立たせてみるとよくわかる。煙草の箱を隣に置いて較べるのと同じだ。3階に登るということは、日本の建物の5〜6階に登ることに相当する。

普段それほど歩きなれていない連れは、けっこうバテバテだ。ポタリングと日ごろの駅での階段登りで慣れているわたしでさえ、ときどきため息がでることがある。

フィレンツェの中心は「ドゥオーモ:花の聖母教会」だ。最上階「クーポラ」へは464段の階段で登ることができる。高さ90メートルだ。しかも階段は狭く、休む場所がないので、一気に登る覚悟がいる。
隣には「ジョットの鐘楼」84メートルがある。高さはあまり変わらないが、こちらには休む場所がある。



どちらも制覇しようと、完全な手ぶらで登頂。写真?写真は他のマニアックな人のを参照して欲しい。わたしは1グラムでも軽くすることしか考えられなかった。

その後のフィレンツェ。サン・マルコ美術館ではフラ・アンジェリコの「受胎告知」やサボナローラの部屋を、メディチルッカルディ宮ではゴッツォリの「東方三賢王の礼拝」やリッピの「聖母子像」を鑑賞しつつ、階段登りも楽しむ。その他、ほとんどの教会も見た。

インフォメーションセンターで探した、教会でのミニコンサートも聴いた。小曲をこじんまりとした自然な音響の教会で聴く。毎日、教会のボランティアがやっているそうだ。こんなの毎晩聴いてたら、感性も高まるだろう。「いい作品をたくさん鑑賞」するのが最高の方法だ。

これでフィレンツェの観光スポットはほとんど回っただろうか。
明日は日本に向けて出発だ。が、せっかく嫌いな飛行機に乗ってここまで来たのだ。まだ、やり忘れていることがある。それは・・・・・。
イタリア人になったつもりで、フルコースをズドンと食べてみようじゃないか!ということだ。連れもわたしの挑戦を受けるとのこと。では、さっそく。

最初はご挨拶代わりに発泡系の白ワインをグラスで。パンをつまみながら、アンティパストは、生ハム、ソーセージ、レバペーストの乗ったガーリックトースト。うまい。赤ワインをボトルで。フルボディの濃厚なやつをだ。パスタは当然カルボナーラ。うん、この店のもいける。パンのお代わりも。ふ〜う、もう一日分食べただろうか?
でも、まだだいじょうぶだよ。さてメインだ。正統派のわたしはオーソブッコ、異端派はマグロのステーキ。食後は濃厚なケーキとエスプレッソ。最後は、当然「グラッパ」でしめる。すみませ〜ん、グラッパをもう一杯。
これが遅い昼食。



一回の食事でいったい何カロリー摂ったのだろうか?これじゃあ、いくら歩いても、階段登りしても、ねえ…。
その後はのんびり、お土産を買いつつ、まだ通っていない道や中央市場を散策。



疲れたという連れをホテルにおいて、明日の空港行きバスをチェック、インターネットカフェに立ち寄り、ついでに非観光エリアも歩いてみる。エリア外は「普通」の埃っぽく車がうるさい町だ。ちょっとがっかり。
でも、当然だよね。ここで普通に生活している人がいるんだもの。そもそも観光客は、そんなとこを覘いたりしてはいけない。ディズニーランドの従業員控え室や中華料理屋の厨房を見てはいけないのと同じだ。

「ねえ、夕飯どうする」
「えッ、まだ食べるの?」
「だって、明日の朝までには絶対お腹空いちゃうよ」
「もうイタリア料理は嫌!」
「ホテルの裏にラーメン屋があったから、そこで軽くどう?」
「う〜ん。じゃあ、そこ行こう」

で、フィレンツェのラーメン屋へ向かう。
そうか、今日はカタギの人たちは土曜日なんだ…。街中、高校生風の男女で溢れている。フィオレンティーナの試合があるみたいだ。テレビの実況と歓声が聞こえる。
ラーメン屋は流行っていた。イタリア人の家族と学生たちでほぼ満席。次から次へと押し寄せてくる。そうだよね、イタリア人だって、たまにはこんなの食べたくなるんだよね。

オーダーした醤油ラーメンと餃子セットがくる。あれ?餃子の皮って、パスタそのものだ!ああ、半チャーハンセットにすればよかった…。