蕎麦打ちに愛情を感じさせる店

Georgia On My Mind



週末2日間、オフィスへの往復も電車を使う。台風のおかげでポタリングできず。(オフィスへの休日出勤もポタリングの材料にしてしまうのか?…)台風一過、とはいえない不安定な日だが、とりあえず、ま、いいや、7月9日のコース(菊谷うまかった)を鏡写しにしてやろうと、今度は違ったものを食べてみたいと、石神井公園蕎麦屋『菊谷』に向かう。

前回は環八の中に入って緩やかに東に回って石神井公園に到着。帰路はまっすぐ南下というコースだった。今日はまっすぐ北上、岐路は武蔵野市を遠巻きにしてまわり、あわよくば三鷹吉祥寺あたりでハシゴをしてやろう。50〜60キロコースかな…、という予定だった。

とちゅうで気付く。今日は月曜日だ、と。たしか『菊谷』は、祝祭日かどうかにかかわらず月曜休だったかも…。もう漕ぎ出してしまった。とまらない。すでに中央線も青梅街道も越えてしまっている。どこで今日の蕎麦をしようか?

ほんらいならば、ごぶさたの宇奈根『山中』へ行きたかった。ひょんなことでお知りあいになった狛江『志美津や』もひさしぶりに行ってみたい。でも両店とも今日は休みだから北に向かって漕ぎ出したのだった。今日は月曜日だった。月曜日ってやだよね。(というか、おまえが忘れっぽいだけ)

でもだいじょうぶだよ。「月曜祝日の場合は火曜日休〜」という文字が頭に浮かぶ。そうだあそこならばやっている! 急遽進路を西に変更。ここもひさしぶりだね。祝日だから「白吟」があるはずだ。おばちゃん元気かなあ…と、府中『たか志』に向かう。

相変わらず無計画に、ただただ西南西に向かう。知らない道ばかり。ポタリングの醍醐味だ。期せずして今日はおもしろいGPSログが取れるぞ、と、期待は高まる。大きな公園に出た。あッ、ここは小金井公園だ。

そのまま南下。多磨霊園を抜けて『たか志』に到着。GPSを一時停止しようと見ると、と、と、と、…、ログ記録がON、ONになって、なっていなかった…。せっかくおもしろいコースを通ったのに…。

ま、よくあることだよ。と気を取り直して『たか志』へ入る。ひさしぶりだ。おばちゃんも元気そうだ。「おこげ」をオーダー。これ、なんか好きなんだよね。簡易版というか、変形「巣篭もり」というところか? このシンプルさが逆にうまい。

いつものことだが、夏の黒吟、休日限定の白吟、ふつうのもり、胡桃だれ、と、迷いに迷い、今日は第二初志を貫徹「白吟」を食べる。更科みたいに白いのにもっちり。蕎麦の香りと噛みしめたときの風味もある。不思議な蕎麦だ。

でも、他の吟醸蕎麦も食べてみたい。だめもとでお願いしてみる。「二色はやってもらえないか?」と。予想通りの答え。「茹で時間が違うからねえ…。難しい…」(と、まあ、だからというわけではないが、おばちゃんにおみやげももらう)

そうだろうなあ。臼も手碾きだ。ゴロゴロと、ときどき雷かと勘違いする。見るともなく厨房を見ていると、釜からあげるタイミングを慎重に計っているのが良くわかる。

自分の打つ蕎麦に「哲学」を感じさせる蕎麦屋は多い。というか、そんな蕎麦屋しか裏を返すことはない。どんなにつまみがうまくてもだめだ。蕎麦屋に蕎麦を食べに行くのだから、蕎麦がまずければ、蕎麦屋としてはもう行かない。(飲み屋として利用することはあるけどね)

そんななかでも、蕎麦打ちに「愛情」を感じさせる店は少ない。わたしの知る限り『たか志』はその筆頭だ。なのに、スマン、無理いってしまった。ま、ここはひとつ、あっしの顔にめんじて、なかったことにしてくだせい。

雲行きがあやしく、残念ながら吉祥寺のあの店には寄らず、一路帰宅。合計48キロ走った。ログは以下で・・・・、あ、GPSをセットし忘れていたんだった…。でも、ちゃんと、GORGIA On My Mind.