丼版「手術台の上のミシンと蝙蝠がさの出会い」

究極のΩ級グルメ「うな牛」



世の中、似非(エセ)商品が溢れている。わたしが永い時間を過ごした国々ではそうだった。余裕で思っていた。鼻で笑っていた。「おまえらの国、偽者だらけじゃないか!しょうがないな〜あ〜」と。「日本は違う」と。
でも、日本もそうだったのね…。

犯罪の検挙率もそうだ。世界に誇る犯罪検挙率は、単に冤罪が多かっただけのような気がする。
脅しすかし、手練手管をつかって、とりあえず形だけでも自白調書をとれば、それで上がり。表面化しなかったのは、警察も裁判所も含む官僚組織の隠蔽体質故の原因と結果だったのかもしれない。持ちつ持たれつ、臭いものには蓋、自分と身内の排泄物は臭くても愛着がある、ってやつだ。

経済一流、官僚一流、政治家三流、と言われ続けてきた日本。いまや誰もそんな戯言を信じないだろう。そんな一流〜三流なんて格差はなくなってしまった。底上げされたわけじゃない。実はどれもが「三流」だったということがばれてしまっただけなのだ。

企業の不始末や偽装が頻発している。「モラルハザード」なんて言われ続けている。いまさらだ。もともとそうだったのではないだろうか?
昔は、有効な告発の手段がなかっただけなのだ。

  • 出頭して告発 ⇒ 120%の本気モードが必要。ハードル激高。
  • 手書きの手紙 ⇒ 面倒くさくてハードルが高い。

ほとんどは内部告発だろう。昔は内部告発がしにくかった。告発手段も限られていた。

  • FAX ⇒ 結構手軽でいける。コピーした証拠文書も送れる。しかし告発者が特定されやすい。

メディアやマスコミってやつなんて、まったくあてにならない。覚悟を決めて垂れ込んだってだめだ。大切なことは握り潰されてしまう。だって、やつらは基本的には企業の広告費で飯食ってるわけだから、自分に餌をくれる連中を本気で咬むわけがない。せいぜい、頬摺り寄せて愛咬する程度だ

  • インターネット ⇒ フリーメールサービスや掲示板を使えば匿名性も高く安心。

インターネットの匿名性の高さが、企業不祥事の表面化に果たした役割は大きいだろう。さらに企業の終身雇用制度が崩壊した今、告発者にとって怖いものはなくなっている。

13年前、インターネットの、そんな匿名性というかいいかげんさというかアナーキーさに魅かれて、どっぷりその世界で暮らしてきた。でも最近、方向性がはっきり違ってきていると思う。
ここまでインターネットが力を持ってしまうと、管理者としては放って置けない。インターネットの魅力の根幹だった「自由さ」は、これからもどんどん規制されてしまうのだろう。

・・・・・ここは、こんなことを論じる場所ではなかった。・・・・・。

なんで、こんな「らしくない」事を書いてしまったかというと、せっかくの年に一度のうなぎのシーズンが自分のなかで盛り上がっていないからだ。

この夏場。町場にうなぎが溢れるので、食べるチャンスが増えるのに…、だ。本当はこの時期のうなぎは油が乗ってなくておいしくない、という事実は置いておく。

人は二種類に分類できる。ヘビ派とムカデ派だ。わたしは、こと食べ物に関しては圧倒的にヘビ派だ。脚が五本以上ある陸上生物はちょっと食べたくない。想像しただけで、カサカサと床を這う乾いた音が聞こえるような気がして、喉が詰まってしまうのだ。

うなぎの産地偽装だって…?!いまさらそんなあ〜。何も、こんな時期にそんなことあからさまにしなくてもいいじゃないか。
みんな、そんなことは内心承知して、あえて目をつぶって共通の夢を見ていたんじゃないのか。あの値段のあのサイズのうなぎが内地産のはずがない。

そんなこんなで、今年は「ちゃんとしたうなぎ」を食べる気がしない。でもうなぎは食べたい。だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。ファーストフード店のうな丼がある。ブランド品だって、どうせ産地偽装しているかもしれないならば、もうこれで十分なのだ。重宝している。

どうせ産地が問題ならば、この際、牛肉もいっしょに食べてしまえ!と、うなぎと牛丼、問題産地の二色合盛(ほんとに合盛って単語が好きだね)『うな牛』だ。このアンマッチなマッチング。この妖しさが癖になってしまう。「手術台の上のミシンと蝙蝠がさの出会い」の丼版なのだ。

この手の店には年間10回は行かないだろう。それなのに、すでに、夏限定の『うな牛』を5回は食べているという体たらく。
嗚呼、うなぎ好きのHosanmの今年の明日はどっちだ。

支離滅裂でスマソ。