羽村堰まで往復100キロの蕎麦ポタ

玉川兄弟像



走りやすいスリックタイヤを履いているうちに…。行ってきました、羽村堰まで。

8時出発。行きは多摩サイクリングロードで。
実は「多摩サイ」は、危なくて嫌いなのだ。疲れてヨレヨレのジョガー。いつこちらに倒れてくるかわからない。ヘッドフォンを着けて散歩している人。自分の世界に入っていて、回りの音が聞こえていない。追い越ししている瞬間、突然、方向転換したりする。気持ち良さそうに、前触れもなく両手を広げたりする。あやうく裏拳をくらいそうになったこともある。



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ロードバイクも怖い。追い越されるのは問題ない。自分で右側に気をつけていればいい。危ないのは対面から必死の形相で二重追い越しではみ出してくる奴。下向いて、上目遣い。でも、目はうつろ。頬が風圧で波打っている。たいていはダイエット中の激デブだ。一度スピードが落ちると後が大変なんだろう。重力と慣性の法則ってやつだ。
デブでなくてもマナーの悪い奴も多い。自動車を運転するといきなりアグレッシブになる根っからの小心者と同じ精神構造なのだろう。

そもそも「走るだけ」の多摩サイ自体が退屈だ。
嫌いでも、今日は多摩川沿いを走るのだ。わたしの体力で羽村堰まで往復するには、往復どちらかに、スピードが出せる多摩サイを通りたい。

でも、だいじょうぶだよ。そんな多摩サイだが、立川公園あたりからだんだん楽しくなってくる。コースに変化が出てくる。
それに、途中に走りにくい道もあるので、必死な連中のロードバイクがいなくなるからだ。もちろん、本気の上級者はこんなところには来ない。

今日は、福生南公園で多摩川を離れる。睦橋を渡りあきる野に向かう。「蕎麦ポタ」なんだもの、目的地は、石臼挽き手打そば『ひらの』だ。天婦羅も蕎麦もおいしくコスパは上々。これは基本。何でも、蕎麦屋らしからぬ小洒落た喫茶店風のたたずまいだそうな。何でも、自家製の杏仁豆腐もうまいらしい…。
福生昭島あきる野エリアに評判の蕎麦屋は数あるが、杏仁豆腐好きとしてはこれで決まり。

道中うろうろしてたのに、多摩サイを必死に走ったためか、開店よりも30分早い。近隣を適当に走ることにする。
まったく知らない町を一人で走るのは楽しい。最近、知っている場所ばかり走っているので、この楽しさを忘れていた。
東秋留駅なんて、『ひらの』に来ようと思わなければ縁がなかっただろう。

ところで、このあたりの住所は"あきる野市雨間"という。「秋留」と「雨間」…。どんな郷土史的な逸話があるのだろう…。誰か教えてほしい。自分で調べないとこが奥ゆかしい。
だから、知らない土地はおもしろい。

で、『ひらの』。評判通りの、ペンションで朝食を食べているみたいな洒落たインテリア。フワフワのかき揚げも鴨せいろも杏仁豆腐もおいしかったっす。あそこの蕎麦の方が、かき揚げならばあそこが…なんてうるさいことは言うなよ!(いつもうるさいこと言うのはお前だよ!)

昼食の後、一路、羽村堰へ。玉川兄弟と記念撮影。お江戸の昔から、東京の水分補給が安定しているのは、あなた達のおかげだ。
帰路は玉川上水に乗り換える。
いやあ、玉川上水沿いは楽しいなあ。緑が一杯だ。往路のストイックさとは違う。心底リラックスできる。

小金井公園にさしかかる。このまま玉川上水を進んで三鷹まで出るか、それとも南下して野川に下るか、極めて重大な分岐点だ。中休みなしといえば、三鷹『きびや』か喜多見『志美津や』か、ということだ。今日はたくさん走っているので、もうお腹がすいた。もっと食べたい、というだけの話なのだ。ようするに、どこで蕎麦屋のはしごをするか、ということだ。

で、選んだのは『志美津や』。着いてみると、思ったより疲れている。汗びっしょりだ。とにかく水分が欲しい。ご挨拶もそこそこに顔を洗いに行く。水、水だ。水分を採らなくちゃあ、成城の坂は登りきれない。水分を補給し、粗挽きをおいしくいただき、最後の5キロを走りだす。

あ、雨が降ってきた!水分だ!もういらないのに…。

95キロ走った。あと5キロ走って調度良い数字にしようと思ったが、幸か不幸かにわか雨。そのままびしょ濡れになって帰宅してしまった。

念願の羽村堰までGPSログも取れた。楽しい一日だった。