立ち蕎麦バトルロワイヤル

「とんがらし」の巨大かき揚げ



ということで、再び行ってきました。『箱根そば』成城店。
スマン。1月8日の記事は間違いだった。やはり、圧倒的に「新百合ヶ丘店」がおいしい。そもそもかき揚げが、ボリュームも含めて、まったく違う。

ごめん。新百合さん、一時でも君のことを疑ってしまったわたしを許してほしい。あの時、成城嬢に感じたあれは何だったんだろう?あまりに○○に飢えていたゆえの幻想だったに違いない。

償いというわけではないが、またすぐに会いに行くよ。たとえ途中で、向ヶ丘『さらしん』が胡麻油の香りとともに、「そんな下賤なところ通わなくてもいいじゃないか。ここでまったりしておいきよ」と激しく誘惑しようがだいじょうぶだよ。世田谷通りの排気ガスまみれのだらだら坂が行く手をはばもうと。だ。約束する。

蕎麦、出汁、天婦羅等々、要素はいろいろあるが、「立ち蕎麦」で最も重要なのはかき揚げ天婦羅だ。これさえうまければ、たいていのことは許せる。そして、『箱そば 新百合店』は、かき揚げだけじゃない、これらのすべてが合格点。三位一体となって、実に「立ち蕎麦らしい」味わいを作っている。

こと蕎麦自体ならば、東銀座『十割そば郷』がある。立ち蕎麦でこの蕎麦を食べさせてくれるのだから、蕎麦自体は満点。でも、わざわざ行こうとは思わないんだよね。だって、その他は平均点なんだもの。やはり、立ち蕎麦は「かき揚げ」なのだ。

立ち蕎麦の天婦羅といえば、初台『加賀』と水道橋『とんがらし』だ。両店ともオーダー後に揚げるのだから、このクラスではまずいはずがない。しかもボリューム満点というか危険なくらい巨大なかき揚げだ。
しかし、蕎麦は特筆するところがなく、汁は塩辛いだけで風味に欠ける。ベストではない。それでも、『郷』よりも魅力を感じてしまう。

これは、好みの問題だね。「立ち蕎麦者」としてのわたしはかき揚げ至上主義で、蕎麦自体を楽しむのならば、ゆったり座って、蕎麦前からはじめて、手打蕎麦でのんびり憩いたいということだ。

立ち蕎麦クラスでの蕎麦クオリティといえば必ず出てくる二店がある。田町『ala 麓屋』と京橋/虎ノ門『恵み屋』だ。しかし両店とも、「ちゃんとした蕎麦も出す立ち飲み居酒屋」という新しいジャンルに属するのだと思う。値段設定からして「立ち蕎麦」とは認めていない。

じゃあ、『箱そば 新百合店』の牙城にせまるのは、どこがあったっけ?千束『ねぎどん』、虎ノ門『峠そば』、八丁堀『がんぎ』、四谷『政吉』、両国『文殊』、等々、候補はたくさんある。いったいどこが「立ち蕎麦最強」なんだろう…。

・・・・・あ、危ない危ない!こんなこと考えていると、また、本気で立ち蕎麦通いをはじめてしまいそうだ。立ち蕎麦にはいくつか問題点がある。なにしろ「基準」がかき揚げ蕎麦だからだ。

  • どんな食べ物でも汁を残せないという呪われた性格ゆえ、塩分の強い汁を飲み干してしまう。
  • トッピングは天婦羅だ。しかも衣が溶けた脂ぎった汁を飲み干してしまうという二重苦。
  • そんな油脂塩分過剰なものを、たった5分で食べて、すぐ動き始めてしまうという三重苦。そう!「早食い」なのだ。

身体を気にするなら酒を控えればいいじゃないか、という意見は置いといて、これじゃあ身体にいいわけない。