「関戸橋フリーマーケット」に第三種接近遭遇する

Hosanm2007-10-21



自転車がかってに「多摩川サイクリングロード」へ向かって走りはじめてしまう。コントロールが利かない。今日は『よし木』のかき揚げが食べたいらしい(お前がだろう!)。雑誌掲載騒ぎも落ちついただろうか?日差しも柔らか、風もない、人出も少ない。多摩サイ日和だ。快適に走り続ける。

それにしても不思議だ。閑散としている。この天気だ、家族連れはこんなところでのんびり散歩していないで、遠出しているに違いない。でも、やっぱり変だ。自転車が少ない。特にスポーツ車が。

その代わり、ときどき変な自転車とすれ違う。フレームやホイールを背負った人たちだ。風がなくて走りやす過ぎてトレーニングにならないので、あえて抵抗を増やしているのだろうか?ロードレーサー養成ギブスか?あれは効きそうだ…。

関戸橋に着いて気付いた。今日は、どこの誰かは知らないけれど誰もがみんな知っている、一部の自転車乗りの間で有名な「関戸橋フリーマーケット」の日だったのだ。そうか!だから今日は、走行中のスポーツ車が少ないのだ。すでに主だった人たちはここに集合してしまっていたからだ。

普段は閑散としている関戸橋の河原に、それらしい格好をした人たちが。付近の芝生には、自転車が死屍累々と横たえられている。
そうなのだ、ひたすら走ることを宿命付けられたスポーツ車には、「スタンド」などという余計なものは付いていないのだ。最初からスタンドの付いていない自転車を買って、「スタンドを付けてくれ」と言ってごらん。お店の人はいろんな理由をつけて反対するはずだ。

「いろんな理由」はともかく、スタンドで立っている自転車って、けっして格好いいものじゃなよね。片足怪我して松葉杖ついてるみたいで。でも、スポーツ車が大量に横たわっている図って、合戦後の長篠設楽原みたいで、何とも奇妙な光景だ。やはり馬と自転車は走っている姿が美しい。

『よし木』開店には時間も早いし、このうれしい偶然に、フリマを覗いてみる。河川敷に並べられているほとんどはパーツや工具類だが、自転車をまるごとを売っている人もいる。
こういう雰囲気に弱い。バーゲン会場の主婦、修学旅行中の中学生の竹下通り、はじめて100円ショップに入ったオヤジ状態だ。秋葉原のガード下に行ったときもそうだ。後でよく考えてみると、絶対にいらないものを「あえて選んで」買ってしまう癖がある。
だから心して何も買わないように自分に暗示をかける。「どうやって持って帰るんだ」と。

それでもなお誘惑は多かった。でも、だいじょうぶだよ…、おっ、そろそろ『よし木』の時間だ、と自分に言い聞かせて会場を去る。しかし、あの皮のサドル座り心地がよさそうだったなア(いまので十分なんじゃない?そんなに走るわけじゃないし)。あの工具、買っとけばよかったかなア(自作もしないし、自分で修理もしないのに、いつ使うんだ?それに持って帰るの重いぜ)。

というわけで、数々の誘惑を振り切って、やっと『よし木』に到着。ちょっと前のような混雑ではない。ちょうどよい混み方だ。念願のよし木風かき揚げと二色蕎麦を食べて満足。その他にも食べたいやつがたくさんある。今度は、夜ゆっくり来て飲んでやろう。

帰路は慎重に道を選びながら、はしご蕎麦をせずに帰宅。