どこで本を買うのか?

Hosanm2007-08-04



社のブログに書いた勢いでここにも書いてしまおう。ときどき書く順番が回ってくる。他にも週一(?)で発行している企業メルマガもある。いかに駄文とはいえ、一日に両方書くのはけっこう「ネタ探し」が大変だ。

ちょっと違うかなあ?ネタはいくつもあるんだが、その日の気分のネタは複数ない、というところだろうか。そこで、「同じ元ネタで違った内容のものが書けないだろうか?」と安直に考え、数度やってみた。

やってみてわかった。こちらの方がずっと難しい。しばらく挫折していたが、今日は、PCも臨終してしまい、社の分は就業中に書いてきてしまったことだし、ひさしぶりに自宅でのんびり飲んでいるし、明日は出社もしないし、ひさしぶりにやってみるか…。

本選び、というか、「どこで本を買うか」がテーマだ。

3種類を使い分ける。

  1. オンライン(新規参入、クリック:アマゾンBK1他)
  2. リアル(大型書店、モルタル:甲クラスから丁クラスまでたくさんある)
  3. コンシェルジェ(町の本屋:絶滅の危機に瀕する)

それぞれ異なった使い勝手がある。

アマゾンに代表される「オンライン書店」は、目的もなく本を探すことにむいている。ベストセラーリストをずらずらと見るもよし。サイトのレコメンデーションにふんわり身を任せるのもよし。クリックを繰り返しているうちに、自分の得意としていないジャンルへ知らないうちにジャンプさせられているのは、それはそれで快い。

大型書店ではまったく逆だ。いま関心を持っている「あるジャンル」を網羅的に突きつめていくためには、この手の書店は絶対に必要だ。ただし、それと同時に、他ジャンルへ「ジャンプ」できるタイミングも探っているので、階段を昇り降りされられるのは好きではない。できればワンフロアであってほしい。そこをぶらぶらポタりたいのだ。

「町の本屋」はほとんど駆逐されてしまっている。昔は各駅や商店街には、頑固そうな親父が家族か数名の店員とやっている本屋が、必ず一軒はあった。そう、立ち読みしてるとハタキをかけにくる、あの懐かしい本屋だ。それぞれの書店が、その町の特徴にあわせたキラリと光る本を置いていたものだ。

その後、本は儲かるとばかりに、雨後のたけのこのごとく出版点数が増え、町の本屋のスペースでは対応しきれなくなってしまった。がんばっていい本を置いても、そもそも「いい本を読みたい人口」も激減している。

新刊すら手に入れるには大型書店に行くことになる。町の本屋はますますさびれる。町の本屋は売りやすい雑誌と漫画でいっぱいになる。今度はコンビニと競合することになる。もうこれで終わりだね。町の本屋はいまや絶滅種に属しているのだ。

でもだいじょうぶだよ。まだがんばっている本屋もある。その代表が、代々木上原『幸福書房』だ。

『幸福書房』は書架面積数坪の極小書店だが、品揃えがすばらしい。取次ぎが自動的に持ってくるにまかせているのではなく、きっと店主が選別して注文を出しているのだろう。そのたびに「こんな本があるのか」という新たな発見がある。わずか5、6坪!だよ。(他の書店もちょっとは見習えよな。どうせ委託なんだからとばかりに、どこにでもあふれている駄本ばかり置いていないで)

ときどき、わざわざ途中下車して、「知らない本」探しに覗きにいく。わたしにとって『幸福書房』は、短時間で良書に出会える、一種の本のコンシェルジェなのだ。昨夜もうっかり立ち寄ってしまった。あ〜あ、読む時間もないのに、そんな買いこんでどうするんだお前、という内部からの声を無視して……、おっと、またやってしまったわたしなのである。