渦中にいること Don't Stop the Carnival II

Sonny Rollins ”Don’t Stop the Carn



カーニバルといえば、リオのカーニバルに行ったことがある。南米滞在中のことだ。ワールドカップにしろオリンピックにしろ同じなのだが、カーニバル時期の最大の問題はホテルだ。通常の数倍の宿泊料になってしまうそうだし、そもそも予約が大変らしい。

「だいじょうぶだよ。うちに泊まればいいじゃん」とコロンビアで知り合ったブラジル人に、簡単に言われた。
ということで、前後に仕事をからめて行ってしまった。もちろん中心は仕事で、ついでに、だ。

で、結論。
おもしろくなかった。楽しそうに踊りながら行進している連中を、酔っ払った自分が酔っ払いの群集と一緒に見送っているだけなのだ。見渡すと、みんな、それでも、けっこう楽しそうだ。たぶんわたしとは「感情の量」が違うのだろう。

見ているだけでもプロスポーツはおもしろい。それどころか、スポーツについて書かれた本を読むだけでもおもしろい。その道の「プロ」の技には感動があるからだと思う。でもねえ…、これは、ただのお気楽なパレードだよ!

他人がおいしそうに食べているのを、そばで見ていて、興奮はできないだろう?というのは言い過ぎとしても、他人が夢中になってやっているRPGゲームを隣で見ている感じ…、といえばわかったもらえるだろうか?
(他人がおいしそうに食べている様子を書いた、「プロ」の文書には感動できるけどね…)

そんなわけで、なにかを楽しむ最高の方法は「参加する」ことなのだ。直接的に関われば関わるほどほど、楽しみは深いのではないだろうか。

仕事も、実は、そうだ。仕事は遊びで、遊びは仕事だ。(言い切っちゃった…)

「たいへんそうだなあ」と思いながら、横で見ているよりも、当時者でいることの方がおもしろい。渦中に巻き込まれているほどおもしろい。その渦巻きを自分が発生させたのならば、よりおもいしろいんじゃないかい。

500時間耐久レースも佳境に入ろうとしている。カーニバルはまだまだ終らない。