緩い(ゆるい)生き方


趣味は?ときかれると困ってしまう。読書と音楽です、という定番は、ガキの頃からずっと使ってきたので、もう飽きてしまった。(飽きてしまったのは読書と音楽ではないからね。よろしく)

旅行です、と答えると、すかさずきかれる。「どこが好き?グアム?ハワイ?ハワイならどの島が好き?あッそうか、ヨーロッパね!」(うるせえや)。「旅行」というからパックになってしまうのだ。でも、「旅」なんていうと、社会人としてはちょっといけない男みたいじゃないか…。

いまならば、「インターネット」「自転車」「蕎麦」「ラテンアメリカ」と答える。そのどれにもきっちりハマった。4つとも、それぞれの間に、実にいろいろな共通点がある。さらにすべてに共通しているのは「緩さ」だと思う。

そもそも、ラテンアメリカでの緩さと緊張感の入り混じった生活と、インターネットの自由度と気の抜けない先進性の、それぞれのバランスの良さには共通点が多い。どちらも好きだ。

ダイヤルアップのインターネット時代、ラテンアメリカ生活からの社会復帰が完全にできていなかったとき、遅いダウンロードをぼお〜っと待っている間、ゆったりとした時間が流れていたあの時間をなつかしみ、ふと心なごんだものだ。そうとも、ラテンアメリカでは、「待つ」という行為は、ひとつの「芸術」の域にまで高められているのだ。(ほんとかよ?)

自転車に乗っていると、角をちょろっと曲がってみたり、思いつくままに、はじめてのコースを通ってみたくなる。いろいろと新しい発見がある。WEBサイトのリンクをたどっているのとまったく同じだ。

自転車ならどこにでも入っていけるし、徒歩の数倍の速さで進める。進入禁止だったり、階段があったり行き止まりで進めなくなったら、引き返せば良い。融通の利かない自動車と違い、どんな狭い道でも、ちょっと自転車を持ち上げて方向を変え、元の道に戻れば良いのだよ。ブラウザーの「戻る」ボタンをクリックするようなものだ。気楽なものだ。

自転車もインターネットも、寄り道の楽しみというか、自由度の高さが魅力的であり、ここち好いのだ。(あッ、ラテンアメリカもね)

そもそも、いつも目的地に一直線に行く必要があるかい?そうなんだよ。いつも直線をたどって出会う必要なんてないのだ。まがりくねってもだいじょうぶだよ。次の(またその次の)コーナーで、より熟した状態で出会えるかもしれないのだ・・・・。

で、蕎麦はどうかというと・・え・・・ええッ・・・・ええと・・・・・蕎麦はおいしいよ。