『サラ・コナー・クロニクルズ』はいつ完結するのか

二人の強い女に守られる英雄って



ターミネーター』にハマっている。
ターミネーター4』が間もなく公開される。さらにTVシリーズサラ・コナー・クロニクルズ』が発売され始めた。DVD3枚、計6話まで観た。これが良くできていて楽しめるのだ。映画もT1からT3まで続けて観てしまった。

サラ・コナー・クロニクルズ』はT2とT4をつなぐブリッジ的作品といわれている。確かに強烈にT2を意識している。オープニングはいきなりT2のエンディングそっくりのシーンから始まっている。

コナー親子を守る新登場の少女型ターミネーターが手を差し伸べて"あの科白"を言う。
「Come with me if you want to live」と。
不覚にも笑ってしまった。劇場ならば大爆笑がおこる場面だろう。
サラ・コナーのモノローグも初代リンダ・ハミルトンのテイストをそのまま踏襲している。ときどきあのテーマらしきリズムも入る。「ダダンダッダダン」と。

でも、T2とT4のブリッジということは『T3』は何だったんだ?なかったことにされている? T3では、サラ・コナーは1997年に白血病で病死していたはずだ。スカイネットによる審判の日は2004年に来てしまうのだ。等々…。
監督ジェームズ・キャメロンは、ターミネーターはT2で完結した、続編は不要という意見だったという話をきいたことがある。リンダ・ハミルトンも回想シーンでのT3出演を拒否したとかも。

ま、いいや、だいじょうぶだよ。ターミネーター・シリーズ好きだから。辻褄が合わなくてもいい。いつまでも付き合うよ。
でも、いつまで引っ張るのだろう。『サラ・コナー・クロニクルズ』にはジョンの伯父さんまで登場してしまったし、米本国ではセカンドシーズンが佳境に入っているみたいだ。それに、T4から始まる映画は三部作らしい。

くだらない映画が多いせいなのか、映画館に足を運ぶ人たちが減ったからなのか、レンタル屋はTVシリーズで埋まっている。しかもどれもそこそこ楽しめる。たいていの新作映画よりずっとおもしろいので困ってしまう。
ただ、どのTVシリーズを見ても、引っ張り方に共通点がある。どこか身近な感じなのだ…。そりゃそうだろう、これは日本のマンガ雑誌文化を手本にしているに違いないのだ。

そもそも、米国のTVシリーズやマンガ(コミックと呼ぶべきか)は"読み切り連作型"だったと思う。もちろん内容は金太郎飴状態で、毎回似通ったものなのだけど、少なくとも同じ話がだらだら続くようなものではなかった。でも、それって大変な労力が必要なのだ。毎回新しいシナリオとキャラクター設定をしなくてはならないからだ。

ちなみに日本のマンガ雑誌で、読み切り方式を徹底してやったのが「ビッグコミック」だ。当時の日本のマンガ界では逆に新鮮だった。ま、それはまた別の話として。

それよりも、一回のキャラクター設定で何年も持たせられればそれにこしたことはない。物語の進行にあわせて適当にキャラを増やしてやるだけでいい。そのうち、独りでに立ってくるキャラが必ず生まれる。その段階で"立ったキャラ"をクローズアップして話の流れを変えてやればいいのだ。なんなら、外伝を作ったりスピンアウトさせて新シリーズをでっち上げてやればいいのだ。というか、『サラ・コナー・クロニクルズ』自体がスピンアウト作品なのだろう。

コンテンツ供給側としては、長く引っ張れるということがTVシリーズの最大のメリットなのだろう。長く引っ張れるということは、スタッフやセットにも金をかけられるということだ。金をかけられれば、基本的にはよりおもしろくすることができる。

話は『サラ・コナー・クロニクルズ』に戻る。
そう、サラはいい。強い母親像だ。でもお助け役のターミネーターも何で女なんだろう?(しかも名前は笑えることに"キャメロン"だ)
タンクトップの強い女二人に守られて成長するレジスタンスの闘士ってありかい? そんな男に人類の未来を託していいのか?オイ!…。これは現在アメリカの現実なんだろうか?それとも希望?ひょっとして病巣そのもの?…。

最初にT3はなかったことにされてしまったのかと書いたが、T4のトレーラーを見ると「審判の日(ジャッジメント・デイ)」は起こってしまったようだ。ケイト・ブリュースターも重要な役をするみたいだ。ということは、T3世界の後? それとも多次元世界の話? 疑問はつきない。

ま、何でもいいや。早くDVDの続きを観たい。T4を観たい。だけだ。



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