牡蠣フライ、合わせ技の秘密

大粒牡蠣フライ



牡蠣、特に天婦羅とフライが好きだ。何度も書いてるから知ってるね。特に数えているわけではないが、10月末ですでに64個食べた。やっぱり数えている。

今季は特に飛ばしている。理由は、9月から牡蠣を出す店を見つけてしまったからだ。けっして探して歩いたわけではない、のだが。

酒が好きだ。作るのがではなく飲むのがだ。これも知ってるね。
毎日そんなに飲んでたら肝臓がやられているだろう、と威され続けていた。いい歳して生まれてはじめて人間ドックに行って、意外と肝臓がしっかりしているので安心した。他の臓器と較べて丙丁を競う、そんな程度のレベルの低い話なんだけど。

でも、だいじょうぶだよ。牡蠣って肝臓にいいんだ。私見では、牡蠣1個に付きアルコール一杯を"余分に"分解してくれるのだ。
「アルコール一杯」ってのが肝だね。ビールならばXサXスXパXドXイを除く中瓶一本、日本酒一合、焼酎オンザロック一杯、ワインの並々とした一杯、スピリットのワンショットだ。何て酒飲みに都合のいい"私見"なんだろう…。

だから、すでに、64合、一升瓶6本分以上の日本酒の貸しがあるのだ。だれに?って?自分の身体に、肝臓にだ。こんなに貯蓄があるんだ。と自分自身で満足してみる。このペースで牡蠣を食べ続ければ、年末の貯蓄額が楽しみだ。一気に引き出してやるからな!待ってろよ肝臓!

で、突然、さらにうまい話に気がついた。

牡蠣フライのデフォルトは"5個"と暗黙の決まりがあったはずなのに、最近"4個"の店が多い。その代わり、1個あたりのサイズが大きいのだ。
これは、中粒を2個以上合わせ一つにしているからなのだ。その方が同サイズで揃えて見せられるから見栄えもいい。
…ということは…一食4個は実は8個だから…貯蓄は日本酒64合分ではなく90合近くあるに違いない。



大粒牡蠣フライ群像

ま、そんなことはどうでもいいや。問題はこの2個の合わせかたなのだ。
おいしい合体牡蠣フライがほとんどだ。2個を合わせるときの貝柱の向きなども気にしている店もあるそうだ。反対に、もさっとしておいしくないやつもある。これは、食後必ず胸焼けがするのだ。このわたしでもだ。

作り方の手順はどこも同じ。こんなところだろう。

(1) 牡蠣に小麦粉をまぶす
(2) 溶き卵をつける
(3) パン粉をつける
(4) 揚げる

合わせ技を使って牡蠣フライがおいしいかどうかの境目は(1)と(2)にある。
二つの牡蠣を一緒にして小麦粉をまぶして溶き卵を付けてから揚げれば「吉」。ひとつ一つの牡蠣に小麦粉をまぶして溶き卵をつけて、それらを合わせてパン粉をつければ「凶」なのだ。

後者の場合、二つの牡蠣の間に小麦粉が分厚く挟まってしまう。このまま揚げられた牡蠣フライはボリューム満点なのだ。さすがの、この、アンダーB級グルメの、悪食の、胃袋に繊細さの欠片も持ち合わせていない、胃に歯が生えているといわれる、満腹不感症の、ま〜アいいや、の、わたしでさえ、胸焼けするほどの。
もちろん大量の小麦粉のせいでだ。

そんなことするくらいならば、個人的にはそのままの小ぶりの一個で十分だ。そのほうが不快な満腹感がなくていい。
でもしょうがないね。幾つかある上げ底大ぶり牡蠣フライをやっている店は、安くて大きい牡蠣フライの店としてけっこうはやっているのだ。

牡蠣フライ。これから冬になるに従って味が深くなり、どんどんおいしくなっていく。今からこんなに飛ばして、今季は何個食べるのだろうか?なんだか今年は"きっちり"当たるような気がするのだ。

でも、やめない。