蕎麦屋の小上がりは嫌いだ、が、

コントラストが美しい。これぞ二色!



東京港ポタで行った二件の蕎麦屋。『粋場 ひさ奈』と『蕎肆浅野屋』。味だけではなく、どちらもいい雰囲気の店で、しかも光の使い方とカウンターの設置の仕方が印象に残った。蕎麦友の話では、どちらも同じ施工会社が手がけているとのことだった。

ふむ、ふむ。なあるほど…、そうだったのか…。手打蕎麦屋の店舗設計を得意としている工務店とかがあるんだあ。眼ウロコだ。

その施工会社のその他の店舗デザインも見てみる。ふむ、ふむ。なあるほど…、そうだったのか…。ニ店舗ならば気にならないが、たくさんあると、この「手馴れた」感がちょっと食傷してしまうかもしれない。

手打蕎麦店という極めてニッチなところでも、逆にニッチであるからこそ、「店舗デザインは難しい」と再確認してしまった。
じゃあ、おまえはどの店のインテリアが好きなのか?と問われれば…。

わたしの現在のシノギのもとであるWEBページ制作でも、経験を積むに従って、つい手慣れた企画とデザインをクライアントに押しつけてしまいがちなのだ。各クライアントの業種業態、今やりたいこと、WEBの位置づけが、それぞれ違っているのにもかかわらず。なのだ!

まあまあ、いいじゃないか。仕事の愚痴は他でしろよ。ということで、閑話休題

嫌いなのは靴を脱がされる飲食店だ。上がった席が掘り炬燵ならばまだ許せる。座敷はだめ。和服を着ているわけではないので、必然的に胡坐になる。胡坐って、日常の姿勢の中で最も足が顔に近付く格好ではないだろうか?
だって、食事に来ているんだよ。座敷で宴会なんてすると、何時間も靴の中にあった蒸れた足が一斉に食卓のすぐ下に勢ぞろいするのだ。胡坐をかけない女性はもっと嫌だろう。硬いぴっちりしたジーンズなんてはいていたら最悪だ。

蕎麦屋にはけっこうな数で座敷がある。小上がりってやつだ。小料理屋を意識した設計なのだろう。
粋なそれげな小料理屋ならば許せる。ちょいとついたてに隠された二人でまったり。横座りしたあなたとさしつさされつ…。残念ながらわたしにはそんな局面はほとんどない。そもそも手酌主義だったのだ。忘れていた。

蕎麦屋に行く足としては自転車のことが多い。スリップオンの靴を履いていることなんてありえない。たいていは、しっかり紐で締めるタイプのスニーカーだ。座敷への上がり降りがめんどうくさい。それに、腹一杯食べた後にしゃがんで靴紐を締めると苦しいじゃないか!ええッ!どうしてくれるんだ!そんなに食べなきゃいいんだが…。

また話がそれてしまった。蕎麦屋の店舗デザインの話だった。最も好きなインテリアというと、小金井『みやざわ』だ。
が、えッ、『みやざわ』って全席フローリングで、靴を履いては上がれないんじゃないか?って。そうだ。でも、でも、だいじょうぶだよ。靴を脱いでも『みやざわ』が好きだ。落ち着けるのだ。
だって、このインテリアだよ。

気の置けない友人の家にお呼ばれして、ご馳走になっている気分になってしまうのだ。それも、自他共に認める特上の手打蕎麦を。

そんな訳で…。

はい。今日、いい天気だったよ。ポタがてら行ってきたよ。いつもの二色合盛でお願いしたよ。白黒の二つ巴がきれいだったよ。山葵も大根おろしも両方くるのがうれしいよ。おいしかったよ。
今日は・・・・・というだけの話だったのだが…こ こ ま で引・っ・張・っ・て し ま っ た…。