電話局も信用できない …の話のはずが為替の話に…

Hosanm2007-04-11



郵便局が信用できないから、企業間の書類のやりとりのために、各社がメンサヘロ(メッセンジャー)という職種をやとっている、という話は以前した。

電話会社も信用してはいけない。料金トラブルは日常茶飯事だ。これも知人が経営するレストランであった実話だ。

ある日、200万ペソを越える電話料金の請求があった。

あらかじめことわっておく。1ペソが何円に相当するかの説明は難しい。変動が激しかったからだ。当時のコロンビアでは、政府主導の計画インフレ制度を導入していた。政府の通達によって、定期的に(というかほぼ毎日少しずつ)物価指数が上昇していくのだ。だから定期的に全商品の値上がりがある。

そんな…、暮らしていけないじゃないか、と心配しなくてもだいじょうぶだよ。その分、政府の決める最低給料が毎年上がっていくからだ。そしてその分、対USドルとのコロンビアペソの通過レートが変わっていく。だから、以前「コロンビアの最低給料は100ドル」だとだけは自信を持って書くことができたのだ。ペソ値は毎年変わったが、ドルに換算するといつも同じなのだ。だから、余裕のある人たちは、安全なドルでお金を持っている。投資もドルでする。

この計画インフレ制度をあえてとるメリットについては、経済学に弱い身としてはよくわからない。ただ、他の途上国にありがちな、月間100%のインフレで自国紙幣が紙くずになってしまった、というたぐいの事態が防げるのだな、と漠然と考えるだけだった。

はっきり言えることがある。ペソで生活している住民にとって、給料は毎年上がるけれど、生活は相変わらず苦しいということだ。貯蓄はしないのかって?…、そもそも貯蓄という概念がない。だって、「普通預金」という概念が、「金利」という概念がないのだから。

銀行を利用するのは金持ちだけだ。銀行口座とは「当座預金」のこと。とうぜん金利はいっさい付かない。個人でも、お金を払って小切手帳を買って(けっこう高かった記憶がある)使うのだ。現金を持ち歩かなくてもいいという安全性や、小切手帳を銀行が売ってくれるほどの信用のある人物であるという満足を、小切手帳によって「買う」というわけだ。この国はいつも、なぜか、売り手市場なのだ。その話はまたいつか書く。

そもそもコロンビアペソは持っていれば持っているほど、定期的なインフレで「少しずつ」目減りする。だから、「USドル持っている」という発想のない消費者は「買う」ことによってのみ、ヘッジせざをえない。なぜならば、この国では「動産ですら値下がりしない」という伝説を歴代の政府が植え付けてしまっているからだ。自動車なんてその最たるものだ。その話はまたする。(またかよ!)

「小額の定期的なインフレ」というところがミソだ。「小額」なので、無理をしてまでもUSドルにしておこうというほどの意識は生まれにくい。「定期的」なので計画的に消費することができる。
政府としては大助かりだ。これで定期的な消費を喚起することができる。さらに、高率の消費税を課しておけば、自然に税収も確保できるというものだ。民に、細かいことなど、知らしめる必要など、まったくないのだ。

・・・・あれ?電話料金の話だった。200万「ペソ」の話から、別の方向に進んでしまった。ま、このブログは、基本的に、テーマを推敲せず、自動筆記することをむねとしている。今後も頻繁にこんなことがおこる。そこんとこをよろしく。