機械翻訳で遊ぶ
「Google翻訳が笑える」と話題になったのは一年ほど前だっただろうか。こんな例が載っていた。
原文 | 2008年9月 | 2009年7月 |
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Mary has a guitar | メアリーには、ギターです | メアリーは、ギターをしている |
Read after me | 読み取り後、私です | 私の後を読む |
Come in, please | 来るには、お願いします | にしてください、是非 |
I forgot to call her last night | パスワードを忘れて彼女の最後の夜をコールします | 私は彼女の最後の夜電話を忘れてしまった |
She doesn't know how to play golf | 彼女はゴルフをする方法を知っています | 彼女はゴルフをする方法を知らない |
The dictionary on the desk is mine | 辞書を机の上には、鉱山です | 私の机の上の辞書です |
Lucy has no friends to play with | ルーシーはない友人と遊ぶ | ルーシーと遊ぶにはお友達としている |
She went out to look for a taxi | 彼女がお留守にタクシーを探しています | 彼女はタクシーを探しに出かけた |
There's an American girl who wants to see you | 現在のアメリカ人少女whoを見たいと思ってね | またお会いしたい人は、アメリカの少女の |
かなり妄想が激しい。
去年の夏にブログで話題になってから即座にプログラム(?)が変更されたが、まだとんでもないのもある。右端が現在のものだ。さらに笑えるようになっているやつもある。
いずれにしろ機械翻訳なんてこんなものだ。その中でも、"あのGoogle"だからこそ、このケースではよけいに馬鹿さ加減が際立ったのだ。何たって、「某一流国立大学の情報処理系の学生を"バルク"で上から掻っ攫っていく」と噂されるGoogle社だ。頭が良い人の集団というイメージがあるよね。それとも、Googleの社内言語は二進法なのだろうか…?
そもそも機械翻訳なのだ。信じなければいい。いかにGoogleとはいえこんなもんだろう。特に「人間の手を介さないことが信条」のGoogleだからこそのネタ提供なのだろう。
ただ、日本語の理解度の低い人がうっかり使ってしまうと、とんでもないことになる。悲惨なケースがないわけじゃない。帰国子女が大学のレポートを慣れた英語で書き、機械翻訳にかけて提出してしまったり・・・・・。これは実話だ。
使うならせいぜい辞書程度にしておくべきだ。オンライン辞書は便利だ。いくつか使ったことがあるが、「ALC:アルク」の『英辞郎 ON THE WEB』が、いろいろな意味で最強だ。
『英辞郎』の最大の特徴は、日英の例文が豊富で、その例文自体も検索対象になっているとうことだ。英作文には必須のオンライン辞書でもある。
加えて、この例文がとてもすばらしい。試しに「お父さん」で引いてみよう。こんな例文まで載っているのだ。
- お父さん!それは偏見だよ!
- お父さん!友達の前で、私のこと「かわいこちゃん」って呼ばないでくれる?恥ずかしいよ!
- お父さん!愛に年は関係ないわ。私は彼のこと好きだし、彼は私を好きなの。それが一番大事なんじゃない。
- お父さん!気でも狂ったのかよ?そんなことしたら、おれは彼に殺される!
- お父さん、あなたは知る必要はありません。
- お父さん、どうしてお母さんは僕らを置いて出て行ったの?今どこにいるのかなあ?
- お父さん、エイズを家庭に持ち帰らないで!
- お父さん、二束三文だったんだから、あのとき浦安の土地買っときゃよかったのに。
- お父さんがあなたの年齢の人と結婚したらどう思う?
- お父さんがここで仕事を見つけたの。お父さんがここで仕事している限り、私たちは引っ越せないのよ。
- お父さんが失業してから、うちの家族は何とかやってきた。
- お父さんが見つからなかった時、ある軍人がほほ笑んでくれました。
- お父さんのショックは大変なもので、その後なかなか精神的に立ち直れなかったという。
- お父さんの車をインターネットで売るのは行き過ぎだと思わないのですか?
- お父さんは、僕たちにくれるべきお小遣いをくれないでためたんだから、僕たちに分けてくれるのは当然だよ
- お父さんもそうなんだよ!このことは、お母さんには内緒にしとくんだよ、いいね?
- お父さん末期癌なの? これからどうすの?
- お父さん、下着姿でうろつくのはやめて、等々
英辞郎世界のお父さん像って、こんなものらしい。でも、こんな例文を使うことあるか?!
で、これが"お母さん像"だ。なかなかドラマチックな例もある。
いろいろ試して、ALC的世界観を楽しんでほしい。
どう?いろいろ楽しめるだろう!まだまだ。お楽しみはこれからだ。機械翻訳の最大のエンターテイメントは"多重翻訳"だ。日本語⇒英語⇒日本語、翻訳を繰り返して、原文とどれだけ内容が変わるかの香ばしさを楽しむのだ。Google翻訳で試してみよう。こんな感じだ。
下着姿でうろつくのはやめて
↓
To wander off in his underwear
↓
彼の下着で迷子にしてください
う〜む。迷宮としての下着…。かなり深い意味がありそうだ。確かに、スカートの下は劇場であり迷宮だけど…。少なくともお父さんの下着は違うね。
これもいろいろ試して遊んでみるといい。
コピペが面倒くさい…?だいじょうぶだよ。それなら、こんな便利なWEBサイトがある。日本語を英語に翻訳し再び日本語に翻訳するというすばらしいワンストップ(?)サービス『翻訳しまくり』がある。お前はそんなに暇なのかという話は置いといて、暇つぶしには最適なのだ。