兼任はつらいよ

Web制作現場の憂鬱



自社のWEBサイトを全面リニューアルしている。今回は企画も含めて他社に丸投げ。で、社内での担当者というか窓口になってしまった、…、という話は以前書いた。現在進行中。

外注先制作会社の担当者からメールがくる。
これこれをテストアップしたからチェックしてくれ。あれあれの意味はこれでいいのか確認させて欲しい。それそれの原稿はいつもらえるのか?…。ところで、その他もろもろはどうなっているのか?…。

いま、結構いそがしい。のに、放っておくと(おくなよ!)追加メールがくる。知らん顔していると(可哀想だからするなよ!)電話がくる。…。(そりゃ、くるよな)

日本の企業にも、やっとWEBサイトの利用価値が認められてきた、らしい。でも、ほんとうのところ、実情はお寒いものだ。そもそも「WEB担当者」がいる企業がめずらしい。しかも「専任」は希少種に属する、いても「兼任」だ。

何を隠そう、わたしもそう「兼任」なのだ。特にここ数ヵ月はいそがしいのに。
そんなわけで、制作会社担当者氏からのメールを見てみないふりをしてしまうことも…たまには…あ…る…。

 ○○さんから電話です(女性スタッフ)
 う〜ん。居ないって言って(WEB担当者)
 お待ちくださいって言ってしまいました(女性スタッフ)
 ウー、バウバウ!(WEB担当者)
 吠えてもむだです。出てください(女性スタッフ)

身につまされる…。でもだいじょうぶだよ。世界中、どのWEB制作現場でも繰り広げられている光景だ。(ないない)やってみてわかる。結構大変なんだね、企業のWEB担当者って。
約束した納期を守るためには、クライアント企業のWEB担当者の協力は不可欠だ。だから、ついプレッシャーをかけてしまう。しかもそれは、制作側としては、「納期厳守」という単語のため正当化されてしまうことが多い。

わたしもいつも同じことをやっていた。この仕事をはじめてから、ずっとプレッシャーをかける側だった。反対側にたってはじめてわかることもある。

スマソ、こんなプレッシャーをかけていたんだね。反省する。これからは、クライアント企業の担当者さんの立場にもたって、スケジュールを立案しよう。

でも、それは次のプロジェクトからにしよう。とりあえず明日は、S社さんにあれを提出して貰う期限だ。D社さんからこれに関するご要望がちゃんと文書で出ているか要チェック。T社さんたら困ったなあ明日朝いちでそれについての電話確認をしなくっちゃあ。等々。

自らの痛みからはちっとも学ばないわたしなのであった。(ごめんなさい。明日朝一番でやります)<ご注意>
この物語はフィクションであり、実在または類推される人物・団体などとはあまり関係がありません。